第二章 俗に言う、前途多難かよ!

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しかし、ふと思う でも…おかしいよねー 噂通りだとするなら、被害が表沙汰(おもてざた)になるし、何より被害者が黙ってないのに 何か引っ掛かるなぁ メンドイフラグが来なきゃいいんだけど… 溜め息混じりに風の音を聞く 朝食にベリーが持たせてくれた特製おにぎりを学園内の林の中で食べ、山中特有の霧を見つめる この霧のおかげで誰にも気付かれずに行動出来た上にクロスケ君を放つ事が出来た 流石、自然界だね♪ いい隠れみのだよ しかし、その風に混ざって音が運ばれて来る事に気付いた 「…!…て!」 「お…え…!」 「…な…しく…!」 「おう…ぎわ…ぃ…っ」 「…か!…け…!」 言い争いかな? 朝から元気な…………あ? 「…れか!…すけ…!い…!」 聞こえて来る音の一つに集中して耳を澄ます 無意識に眉間にシワが寄ってしまうが、気にしない ガツ 「…すけて…」 何かの音がした後の声が弱くなっていく 察する所、何らかの手段でダメージを受けたのかもしれない 「誰…か…た、すけ…て」 ハッキリと聞こえた音に目尻が吊り上がったのを感じた だが、それを気にするより先に目の前に生い茂る木が伸ばす枝の一本に飛び移り、体を霧の向こうに踊らせていた 耳に届く音をただただ止めたかった
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