第二章 俗に言う、前途多難かよ!

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少年の心がどれだけ傷付いているか分からず、自分には治せないと再三、言ってきた 陽炎がそれを感じ取ったのか、全てなかった事にすればいいと言って来た 陽炎の悪属性には記憶に関する能力も含まれ、使用可能だった それ故の発言だろうが、頷かなかった 紫「記憶改竄(かいざん)なんてしたら、必ずどこかで綻(ほころ)びが出る 綻びはいずれ大きな穴になって正常を保てなくなる…そうなったら彼の心は今より更に傷付いて精神に異常をきたす」 だからしない、と付け加えると、陽炎も納得して頷いてくれた ベ「それで、どのようにするおつもりですか?」 紫「保護するよ」 最終的判断を訪ねるベリーを真っ直ぐに目を合わせ、即答した すでに俺の中では被害者の少年は保護対象に指定されている “人間”を助ける気持ちはない 少年が“被害者”だから一時的な手助けをするだけだ 学園の情報提供してもらうけどWWW だが、彼が“被害者”でなくなれば手助けは必要ない 同時に保護対象から外れる それをベリーに話せば、彼は考え込むように口元に手をあてる ベ「そこに異存はありませんが…ですが…」 ベリーの紅い目が細くなり、室内の空気が変わった ベ「どのように保護するおつもりですか?」 フ「どうって、お前」 言葉の意味を探れなかったフローズンが動揺しながらもベリーを見つめている
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