第二章 俗に言う、前途多難かよ!

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ベ「考えてみなさい ここはルヴィナではありません、紫苑様の地位による権限は完全に失われていると言っても過言ではありません 特に人間側では不安定な位置にあり、ツェリスタ国が配慮してくれるとは到底、思えません それに」 紫「ベリー」 ベ「はい」 紫「結局、君は何が言いたいの?」 回りくどい言い回しにイラついた 鋭い視線にベリーはおくさず、一礼する ベ「失礼ながら紫苑様が、あの人間に肩入れするリスクが高過ぎると思います すぐさま学園側に引き渡すべきです」 白「え!?ちょっと待ってよ!あの子を放り出すって言うの?」 ベ「そうです」 白「ダメだよ!」 ベリーの肯定に白夜が立ち上がって抗議する 診察した者としては放棄すべきではない、と言い放った 白「ベリーも見たでしょ!?あの子は今、誰かが支えてあげるべきだよ!」 ベ「それならば同じ人間がすれば良いでしょう 私達が手を出す必要はありません」 白「もし、それがあの子を傷付けたら?あの子が壊れちゃうよ!僕や陽炎みたいにワケわかんなくなっちゃったらどうすんの!?」 そこでベリーの反論が止まった 白夜が少年に肩入れする理由に気付き、言葉を飲み込んでしまう 陽「……我は白夜と紫苑殿に賛成じゃ 今は人間や種族は関係なかろう これが人間以外の種族じゃったらどうするのじゃ?」 ベ「そ、れは…」 陽「国や種族、地位を気にするのは良い それもまた己の身を守る手段じゃ じゃが、今の我等がするべきはそれではない 守るのは国の者に任せ、我等は仕事をすべきじゃろう?」
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