第二章 俗に言う、前途多難かよ!

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上体を前に傾けさせて少年の口を手で塞ぎ、目を合わせる この時、完全に塞がないように気を付ける しがみついてくる手の力が強くて痛い 過呼吸は正式には、過呼吸症候群 別名では過換気症候群 パニック障害を持つ人や運動直後、過度な不安や緊張で引き起こしちゃうやつだったね この場合はフローズンが拘束した事で記憶のフラッシュバックを起こしちゃって過度な緊張によるものかな ごめんよ、ウチの馬鹿犬のせいだね 後で謝罪の上でお仕置きするから許してね? 少年の背中を時間をかけてゆっくりと撫でて落ち着かせる事につとめた 紫「5つ数えるからその間に息を吐き出して 分かる?」 「っ…っ…」 紫「いーち、にー、さーん、しー、ごー…その調子だよ」 過呼吸の処置で大事なのは、呼吸をコントロールさせて二酸化炭素不足を解消する事! よく知られる、紙袋の処置は間違っちゃいないけど、完全に口を覆っちゃいけないんだよね 紙袋を少し離して呼吸をゆっくりさせるのが正しい! でも一応… 意識を彼に集中させる (大丈夫、落ち着いて ここに君を害する者はいない ゆっくり吐いて…吸って…そう、もう一度 上手だよ) 俺の能力の一つ、言霊を使って少年を落ち着かせる 彼の後ろにそっと白夜が近付いて両手を背中にあてる それを見て俺も手を背中から胸に移動させ、更に言霊を使う (荒れし心よ、この者の信なる心よ 静めたまえ) 言葉と手で彼を落ち着かせていく
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