第二章 俗に言う、前途多難かよ!

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紫「落ち着いた所で、君の名前を聞かせてくれるかな?」 「あ…」 こちらを見上げた少年の瞳が揺らぐ 警戒故(ゆえ)か、不安故かは不明だが、歓迎や出会いに対する喜びではないのは確かだ あんな事があった直後だから当然か… 助けた事にお礼が欲しい訳じゃないけど、ちょっと凹むねⅢorz 紫「俺は紫苑だよ 君の隣にいるのは、白夜 土下座をしているのが、フローズン フローズンの後ろにいるのが、陽炎 紅茶を配ってたのが、ベリー あっちにボーと立ってるのは、ジュナリス」 「あっ、トルミです あのっ…助けてくれてありがとうございます それに、怪我も…」 自己紹介した事で緊張が和らいだのか、トルミの顔に笑顔が戻った うーむ、感情に素直な子のようだね そういう子は好きだね! (*^▽^*) 俺も笑顔を浮かべて頭を下げるトルミに言葉を続けた 紫「どういたしまして♪怪我は白夜からの気遣いだからそっちにお礼を言ってあげてね 所で君が襲われた時なんだけど…」 この瞬間、被害者の少年、トルミの肩が大きく揺れ、視線が定まらずにあっちこっちに動き出した 緩んでいた緊張が再び顔を出している あぁ、襲われた経緯を聞かれると思ってるんだね 大丈夫なのに…俺が知りたいのはソコじゃないんだな 紫「何で誰も助けに来なかったの?」 ト「え…?」 紫「いやね?俺が着いた時はだいぶ時間がかかってたから誰かしらいると思ってたんだ 早朝ってのもあるけど、ああいう場所ってイジメとかケンカとかの定番な場所だから警戒してる奴がいるものなんだ だから着いた時に誰もいなくて無防備だなぁって思ったんだよ」
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