第二章 俗に言う、前途多難かよ!

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足に引っ掛かる真似をして一歩先で倒れた もちろん受身は最低限、周囲では見えないようにした 俺が床に倒れた途端、笑い声が上がった 「見ろよ!無能が無能らしくしてるぜ!」 「ぎゃはははははは!!」 「床に這いつくばってろよ!」 「ムノー君は石と仲良しだなぁ、はははははは!!」 罵倒が時々、混じっているが、俺は無言で立ち上がって歩き出す 「いい感じでやったな!」 「えっ…あ、ああ!当然だろ!」 足を引っ掛けた生徒を別の生徒が褒めているが、終始引っ掛けた当人は首を傾げていた 何故なら彼の足に触れていないからだ 触れる前に俺が倒れていた その事実に俺は口元を覆って小さく笑った 紫「ホント、単純だねぇ」 きっと周囲には自分が無能であった事を嘆いていると見えるだろう “今は”それでいい 検査室から出た俺は校内を歩きながら途中で見つけた案内板を見上げる ランクDって事は、Dクラスかぁ どこだろ? 校内の建物を全て表示してある案内板を一階から全てに目を通すが、目的の表示が見つからずに首を傾げる ゲフェン学園では、検査した結果からランクが付けられ、それに応じた授業が行われると入学式の時に説明された ランクはA・B・C・Dとあり、Aが最優秀者、Dが無能力者となっていた クラスの差別化による生徒のやる気とストレス発散が目的のようだ この制度はルヴィナにいらないね しっかしどこだよ、Dクラス
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