第三章 ルールなんざあって、ないもんだね

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Dクラス それは無能力者、または属性が一つしかない者や魔力量が平均より少ない者が入るクラス この学園では底辺の存在 これ絶対、差別の為のクラスじゃん これが世界有数の学校がやる事なのかねぇ (´-△-`) クロスケ君が集めてくれた、Dクラスについての情報を脳内で見ながら思った 教室とは言いがたい室内にあった椅子に座り、指先をコメカミでトントンと叩く俺は先程の男の言葉を思い出す 「ゲフェン学園には、ルールがある」 教室に入ってきた男は気だるそうに、しかし逆らう事は許さないとばかりに俺を含めたDクラス全員に言った 一つ、他のクラスと接触するな、逆らうな 一つ、度が過ぎた行動・発言をするな 一つ、本校舎に近付くな これが学園内のDクラスに課せられたルール 更に、授業は一切しない、学びたければ自身で学べ、と付け加えた 男はそれだけ言うと、出ていった しかも校舎から、だ 恐らく、男はDクラスの担任だろう しかし職務をこなす気はないようだ はっきり言って俺は別に構わない 世界に必要な有りとあらゆる知識はすでに持っている 伊達に王をつとめていない、必要なものなら全て頭に入れていた 問題は他の生徒だ 俺以外に5人がDクラスに放り込まれ、さっきの衝撃的な言葉を聞いていた 嘆く者、現状に絶望する者、全てを諦めて他の生徒を貶める者、便乗する者、標的にされて更に悲観する者 多種多様な反応しているが、誰一人、現状を打開しようと思ってない 人間ってのは希望がないと生きていけない種類だとは思ってたけど… イラつくなぁ イラつく原因は分かっている 紫「気に入らないね」 外を見ながら呟いたソレは思っていたより室内でよく響いた
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