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まいにち、はやしのなかでおいのりをしていると、
ミユちゃんのまえに、
女(おんな)のかみさまがあらわれました。
この南(みなみ)の島(しま)では、
かみさまは女のひとだといわれています。
ミユちゃんは 泣(な)きながら かみさまに、
ケンタくんにおクスリの入ってないジュースをのませてしまったことをはなしました。
すると、
かみさまは、
『わるいことをしたらてんばつをうけなければいけない、
そうしないと、ねがいは はかなわない』
ミユちゃんのまえに、
3つのジュースをさしだしたのです。
『どれか1つをのむと、ケンタくんのびょうきがなおるから』
その3つのジュースは、
ケンタくんがのんでいた イチゴジュースとはちがい、
みるからに おいしくなさそうな いろをしてました。
『ひとつは、みどりのジュース。
これをのむとミユちゃんが三線(さんしん)になってしまうよ』
さんしんとは、
南(みなみ)の島(しま)につたわる、ヘビのかわでできた がっき。
さんしんは、
おとうさんがまいにちひいていたがっきで、
それになるのもいいかな?とおもったミユちゃんでしたが、
『そのかわり、おとがでない さんしん なんだよ。
だからわすれられて、すてられるかもしれない』
かみさまにそういわれて、
それはいやだとへんじをしました。
おとのならないがっきなんて、
なんにもならないからです。
わすれられるのもいやです。
『もうひとつは 蚊(か)になってしまう むらさきのジュース』
ミユちゃんは蚊(か)ならじゆうにとんで、たまにおかあさんから血(ち)をもらえばいいのかな?
とおもったけれど、
『ただし、小さすぎてにんげんからは姿(すがた)はみえないんだよ、おまけにマラリアをもってる蚊(か)だよ』
かみさまにそういわれて、
この南(みなみ)の島(しま)では、
蚊(か)によるマラリアというびょうきの、
かなしいおはなしが いいつたえられていることをおもいだしました。
かみさまに、それもいやだとへんじをしました。
だいすきなおとうさんやおかあさんや
ケンタくんに、
びょうきをうつしてしまうことが
とってもイヤだったからです。
『じゃあ、これだね、あかいジュース』
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