最終話

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「はぁー……きたか、この展開」 この物語の結末はきっと、 悲しい。 子どもだってよく考えたら分かる結末をブラックな絵本にしちゃうあたり、 これは売れないし、埋もれるよな。 何年も会っていない葵に心でダメ出しをしながら、 【三色のジュース】のページをめくった。 ″そして、 おとうさんとおかあさんは、ほんとうのおじいちゃんとおばあちゃんになって、 やっぱりびょうきになってしまいました。 さきにおとうさんがなくなり、 なんねんもたたないうちに、 おかあさんがなくなりました。 ミユちゃんも、 ケンタくんも、 ふたりの子どもたちも、とてもかなしみましたが、 ふたりは 「おじいちゃんもおばあちゃんもお星(ほし)さまになったんだよ。 だからさみしくなったらよぞらを見(み)ようね」 ちいさいころ、 おとうさんとおかあさんがいってくれていたように、 子どもたちにそういってなぐさめあいました。 ″
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