最終話

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″ミユちゃんもケンタくんも、 こしがまがるくらいのおばあちゃんとおじいちゃんになって、 「おばあちゃん100さいおめでとう!」 「おじいちゃん100さいおめでとう!」 それぞれに ひまご ができるほどながいきしました。 やがて、 ながいきをよろこんでくれたミユちゃんとケンタくんの子(こ)どもたちも こしがまがるくらいのおじいちゃんとおばあちゃんになり、 からだがよわっていき、 とうとう びょうきになってしまいました。 そして、かぞくは、 おいしゃさんに ″いのち″がみじかいこと をおしえられました。 だれも、星(ほし)のはなしをしませんでした。 まごたちのかなしむすがたを見(み)るのは、 ミユちゃんもケンタくんもとてもつらかったのですが、 とうとう ふたりのこどもたちは、 ひとりのこらずにさきになくなってしまいました。 あんなににぎやかだったおうちは、 まるで、でんきがなくなったようにくらいのです。 「どうして いつも、わたしたちより先(さき)に子どもたちが死(し)んでしまうのだろう?」 ヨボヨボのおじいさんになったケンタくんがそういって、 そのとき、やっと、 ミユちゃんは、 こどものころに、 ねがいがかなうかわりに、 かみさまにあたえられた″ばつ″のことをおもいだしたのです。 『ケンタのびょうきがなおりますように ケンタがしにませんように』 『この赤いジュースはミユちゃんがおばあちゃんになってもしなないジュースだよ』 子どもたちがしんだのに、 ひ孫(まご)がおとなになったのに、 孫(まご)たちのこしがまがってしまったのに、 じぶんが いつまでもいきていることが、 こんなにつらい″ばつ″だったなんて やっと、そう きづいたのです。
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