最終話

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このまま まご や ひまご たちが死(し)んでいくのをみまもっていくことなんてできるだろうか? このかなしみがずっとずっと続(つづ)いて、 そのうち、 じぶんたちのことをしらない人(ひと)たちばかりになってしまう。 これは、 けしてしあわせなことじゃない。 「わたしがわるいんだよ」 ミユちゃんはケンタくんに、 こどものころにのんだジュースのはなしをしたのです。 のんだ赤(あか)いジュースのことはおぼえていたのですが、 あとのにしょくのジュースのことはわすれてしまっていました。 「クスリをすてた″ばつ″をうけて、ケンタをどうしてもたすけたかった」 「おばあちゃんになってもしなないジュースか……」 だれもしんじないだろうとおもっていた かみさまのはなしも、 ケンタくんはしんじてくれました。 「海(うみ)のかみさまに会(あ)いにいこう」 ケンタくんとミユちゃんは、 つえをつきながら、 むかし、かみさまにあった、林(はやし)の なかへとむかいました。
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