第10章 【Call My Name】

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「今は、私の事を話している時間はありません。彼女のすることに文句があるなら、今すぐ私が斬り伏せます」 仲間の兵士達に向き直ると、穏やかな物腰、けれど、強い口調でリーガルは言った。 「けっ、木偶様に何を言われたって怖くは無いってぇの!」 そう言って、ひとりの兵士が地面に唾を吐いた。 ザン!! その兵士が、唾を吐いた格好のまま、静止した。 地面に突き立てたオーリーンが石畳を割り、その亀裂が兵士の足元まで伸びている。 「……次に割るのは、その石頭にしましょうか」 あの穏やかなリーガルがこんな事を言うなんて。 私だけじゃなくて、シダーでさえ、1度詠唱を中断して、リーガルに目を向けていた。 「……さあ、チェルシー」 静まり返った広場をぐるりと見渡すと、リーガルはオーリーンを背負いながら私に言った。 「うん……」 さっきのリーガルは、ちょっとだけ怖かった。 気を取り直して杖を地面に突き立てると、私は目を閉じた。
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