第10章 【Call My Name】

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「この方法なら何とかやれそうだな……」 「安心するのはまだ早いぞ、見ろ!」 兵士達の会話を聞いていた私は、その兵士が何を指しているのか気になって、そちらに目をやった。 さっきまでは闇雲に広場の中へと飛び込んできたフェンリル達が、今は広場の手前に固まって集まり、低く唸っている。 「ほら見ろ、奴等だって学習するんだ。ここに来たら死ぬって分かったんだよ。きっと、魔法が消えるまで待つ気だぜ」 「誰か!光属性使える奴はいないのか?!」 兵士のひとりに目を向けられ、私は首を振った。シダーの他に、光の魔法を使える人は誰もいないみたい。 時間が来て、光の珠が消えたら、広場を取り囲むフェンリル達は一斉に襲いかかってくるつもりらしい。 それまでにシダーが詠唱を終わらせてくれないと……。 「……うぅ……」 悔しい。 やっぱり私は、待つだけの役立たずだ。 ……でも、もしかしたら。 「待って!」 私はそこで思い出し、持っていた杖を握り直した。
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