第10章 【Call My Name】

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「あの……私が合図をしたら、残った光の珠を全部割ってもらえませんか?」 「なんだって?!」 もちろん、兵士達は顔をしかめた。 ここにある、残った光の珠は4つ。 それが全部無くなってしまえば、ここにいる人達は身を守るものが無くなってしまう。 闇が訪れれば、それだけ戦いづらくなるのも確かだ。 「お願いします!」 「そりゃあ無理だ!せめてあの魔導師様が今の詠唱を終わらせるまで待ってくれよ!」 見ると、光の珠はちりちりと滅灯し始めていた。 今より遅れると、それだけ光の珠の力が弱まってしまう。 「それじゃあ遅いの!お願い!」 「私からもお願いします」 「ッ!?」 突然肩に手を置かれ、私は飛び上がった。 いつの間にか、隣にリーガルが立っていた。 「ンだよ……デックじゃねえか!いなくなったと思ったらどこに行ってたんだよ!」 「へっ、殺しがイヤで逃げ出したんじゃなかったのか?」 リーガルの事を知っているらしい兵士達が、口々にリーガルを罵っていく。 周りにいる他の兵士達も、リーガルを明らかに見下した様子で見つめていた。 「……リーガル……」 どうして、バカにされると分かっているのに、ここまで来たんだろう。きっと、リーガルは辛いはずなのに。 「平気ですよ……ありがとう」 リーガルは私の心を見透かすように、そう言って笑った。
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