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それを好機と、リーガル目掛けて一斉に魔法が放たれた。
たちまち辺りに爆音が轟き、視界は全て砂埃で覆われた。森の木々は軒並み倒れ、周囲は草1本、花びら1枚さえ残らない。
それでも、しばらくの間魔法は止まらなかった。
……ようやく、森に静寂が訪れた。
視界を遮る物は、すでに何もない。
「…………どこだ」
この程度の攻撃で死ぬような相手でない事は、既に承知の上だと言わんばかりに、シダーは杖を離すこと無く、辺りに気を配る。
……その時、シダーは異音を耳に捉え、眉をひそめた。
風を切るような、細い音がどこからか聞こえてくる。
「……上か!」
瞼にかかる影に気付き、シダーは杖を振り上げる。
何かが、物凄い勢いで落下してくる。
シダーが小さく呟くと、体を取り囲むように、半球型の防御壁が現れた。
ガンッ!
その何かが防御壁にぶつかり、人ならざる動きをして結界の上を転がると、どさりと地面に落ちる。
砂埃を巻き上げて落下したその物体を横目で見たシダーは、息を飲んだ。
それは、律儀にもリーガルのマントを付けた、1本の丸太だった。
「クソ……!」
再び杖を構え直すシダーの真後ろ。
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