第9章 【鉛の心臓】

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「昨日だって、それで怒られたではないですか」 「黙れ、まだこれからだ!」 「そう言われても…………困ったなぁ……」 頭を掻きながら、シダーの様子を眺めていた、その時。 カーーン! カーーン! カーーン! どこからか、金属のぶつかるような音が響いてきた。 それと同時に。 「……さーん……リー……さーん……ごはんが……」 遥か彼方から、途切れ途切れに声が聞こえてきた。 耳慣れたその少年の声を聞き、リーガルはホッとしたように溜め息をつく。 「あ、ほら。ご飯ですよ、」 ピシャーン!! 突如、頭上目掛けて落とされた魔法の雷を、抜いた剣に伝わせて地面へと受け流し、リーガルはシダーに笑い掛けた。 剣をしまい、まるで何事も無かったかのように、シダーへと手を差し出す。 「さあ。行きましょう、シダー」 不意討ちとも言えるその攻撃をいとも簡単に受け流されたシダーは、唖然とした顔をして、リーガルを見上げていた。
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