第1章

16/17
前へ
/17ページ
次へ
あんな悲しいメールを見て17の私はどう思っただろう。 独りぼっちだなんてがっかりしたかなぁ。 パラレルワールドがあるって聞くし17の私が結局後悔を消せなかったのか、私の未来は変わらずで違う未来の私は幸せなのか。 分からない。 私は告白されたことが嬉しくてどんどん彼を好きになっていった。いつしか夏実より彼氏が優先になっていって、でも本当に大切にすべきは親友の夏実だった。 彼氏が本当に好きなのは夏実だった。仲の良い私にただ近づいてきてただけだった。思い返せば夏実の話ばかりしていた。 嫉妬も混ざって高校卒業と同時に夏実とは連絡を取らなくなった。そしてずっと後山下が私を好きだったことを知る。 浮かれていた私にあいつとは別れろと言ってくれた言葉をいつもの態度で無視した。きっと好きなのが私ではないことを知ったんだろう。 29歳の今、親友と呼べる人も本気で好きな彼氏もいない。 どんなに後悔してももう戻れない。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加