第1章

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「いいことじゃん♪それだけ優花の中に選択肢があるんだもん。たくさんの好きがあるって羨ましい。」 「大げさー夏実(笑)でも夏実にそう言われるといいことに思えるから不思議(笑)」 そう言って笑った。 2人の手首にはお揃いのイニシャル入りのヘアゴムがついていた。 いつもと同じ平日。 あのメールが届く時までは……。 家に帰り携帯を開くとメールが一通届いていた。 「え……何これ……?」 知らないアドレス、でもない。送信者欄は空欄でアドレスも載っていなかった。 「え、何これ、気持ち悪っ。アドレス真っ白って何?」 開いたらウイルスとか?呪いのメール? いつもなら夏実にすぐ相談するはず、なのに不思議とこの時は不安なのに本文を開いたんだ。 ”12年前の私へ” そう文章は始まっていた。 「12年前の私へ?何これ、意味分かんないんだけど?」 そう思いつつメールを読んだ。
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