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高3の始業式の朝だった。
電車の中で受信した1通のメール。
そこには、未来の俺って奴からメールが届いていた。
『これは10年後の俺からのメールです』
そんなタイトル誰が信じるかよ。
知らないアドレスだし…。
俺のメール受信一覧は、タイトルと送信アドレスと、文章の一部が見られるようになっている。
『信じられないかもしれないけど、未来の俺です。今日は始業式だろ?クラスは3-2だ。転校生…』
なんだこれ。
もう学校に着いた奴がいるのか。誰かアドレス変えたんだろ?
でも…転校生…
続きが気になって、開いたメールにはこうあった。
『転校生がやってくる。名前は 成川潤。担任は深海先生。いろいろあると思うが、転校生とは仲良くしてやってくれ。また連絡する』
どういうことだ?
早めに学校へ行ったって、転校生の名前までは書いていないと思うんだけど。
いたずらにしては、気持ち悪い。
「おう。あっちゃんおはよん」
「おはよ」
朝からハイタッチを求めてくるこいつは、境浩太だ。
まあ、いたずらだろうし。
そう思って携帯をしまった。
浩太と一緒に登校したとたん、クラス割り表の前には友達がみんないて…
クラスは3-2…
マジかよ。
と思ったけど、言わないでいた。
「やったぁ。浩太とあっちゃん一緒じゃん」
「あっちゃんいるなら、最後まで絶対幸せー」
なんてこと言う奴までいる。
「なあ転校生いるんだろ?」
「え?そうなの?」
あれ?みんなの反応が…嘘ついているようには見えない。
ますます気持ち悪いじゃないかあのメール…。
「んーなんかそんな話し聞いたから」
「そっかぁ。3年になって転校生ってすごいね」
「だよなぁ」
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