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☆
四日目。
その週の最終日。
成川くんは学校へ来た。
「おはよ」
「おはよ」
んー。普通に挨拶できるじゃん。
「いきなり3日も休んだね」
「あー。まぁ…さぼり?」
はい?
「あーさぼりね」
さぼりってなんだよ。
簡単にサボるような奴なのか。
「えー。なりくんサボりだったのぉ?心配したのにぃ」
これは咲良(サラ)。
成川君を気に入ったらしい。
「あーうん」
「もうサボりなしだよぉ。寂しいもん」
「あーうん」
あーこっちは気にもしてない感じだ。
やっぱり気にしすぎなのかな。
普通だもんなこいつ。
昨日の夜に来たあの未来の俺メールに書いてあったんだ。
『明日成川くんが学校にくるから、普通に。』
って。
いたって普通だし。
あれはなんだったんだ?やっぱいたずら?
なんだか振り回されてるのがばからしくなってきた。
なんで俺宛なのか。
俺なのか。
こんな手の込んだいたずら…
まだそう思っていた。
このときは…
でも昼休みに来たメールで、まさか…と思った事が起きた。
『5時間目 彼は倒れる。付き添ってやってくれ。そばにいてやって』
は?倒れる?
なんだそれ。
って。
なのに。
本当に倒れた。
先生に指名されて、立ち上がったらそのままグラッとバタン。
床に倒れた成川は苦しそうで、すぐに保健の先生が呼ばれ、保健室へ移すことに。
幸い歩けたから、俺が抱えて行くことにした。
メールの通りに倒れて…そこには付き添ってやってって書いてあったし。もうこれは真実と信じるしかないって状況だし。
俺だけの秘密にしておくには、かなり重い。
重いけど、こんなこと誰にも言えない。
「大丈夫か?成川」
「わりっ」
「少し寝ろ」
そんなことしか言えない俺。
「中村君悪いんだけど、ちょっと付き添っててくれる?校医の先生に連絡してくるから」
「わかりました」
保健の水島先生は、そう言って保健室を出て行った。
これで、メールの通りそばに居てやれる。
ある意味ラッキーだ。
でも俺、そばに居るだけでいいんだよ…な。
なにかしなくちゃいけないとか、ないのかよ。
メールを見ても、反応はなくて…
ただそばにいてやることしか出来なかった。
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