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恋愛とセックスが切り離されている事が少なくない今から見て、随分窮屈に感じられるかと思うが、その頃は好きでなければ男の子が女の子に迫る(セックスしたいと表現する)のは不真面目と思われた。
ナンパ師と仲間内で称される男もいたが。それは少数で、憧れと軽蔑(嫉妬も含む)の目で仲間たちから見られていた。
純情で、かわいい男たちが自分をみつけられないまま、異性への欲求だけが走り出して悶々としていたのだ。
ようやくセックスが結婚に直結する時代から脱出したばかりという時代だ。
よく言われるが1970年に入って劇画「同棲時代」がヒットし、セックス=結婚という世間常識が覆されていった。結婚の前にセックスを含むお互いの愛称を確かめるというとか自分を賢く守る術でもあるが、結婚という制度への反抗の意味合いもあったと思う。
同時期か少し前から「フリーセックス」という考えがメディアで伝えられていた。
スウェーデン等の北欧諸国で普通行われる特殊で羨ましい習慣。リゾート地のヌーディスト村なんて場所が紹介されたりもしてた。
当時は極端な海外ネタが多く、多くは興味本位なニュースとして紹介された。
「解放」というより、恥ずかしくてしかし羨ましい行為といった直截な受け取り方しかできなかった。
生な欲望を持ちながら表現できず、心の奥底に欲望を仕舞い込むようにして、好きな彼女にセックスを許してもいい好青年と理解してもらう。窮屈であってもそれは当時の普通の男の子一般に求められた課題、マナーだったと思う。
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