クミコ、君を乗せるのだから

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「クミコ、君を乗せるのだから」というチェリーのキャッチは、「ケンとメリーのスカイライン」CMシリーズ大ヒットの影響を受けたものだ。 日産スカイラインが発売時(昭和48年)のキャンペーンは、主人公のケンと恋人メリーがクルマ各地を旅するシーンの連発で大人気を呼んだ。 クルマは僕たちを幸せの世界に運んでくれる。恋人とふたりだけの世界。愛のスカイライン。 スカイラインの助手席にいるメリーには外人モデルが起用されていた。スカイラインについては、回を改めて詳しく話したいのでこのくらいにして。 とにかく愛車の助手席は、ひとえに彼女を乗せるためにあった。 チェリーF-Ⅱ「クミコ、君を乗せるのだから」というキャッチは、このケンとメリーのスカイラインと同じ広告手法を用いたものだ。 隣に乗る彼女を庶民的にした。 チェリーの助手席の彼女は、メリーという名の外人でなく、手の届きそうに思えるかわいい子。 安易な発想と思うが、ケンとメリーのキャンペーンは、周辺にドジョウが何匹もいそうに思える大ヒットだったという事だ。 チェリーのユーザーが親近感を持ってくれるはずの彼女が秋吉久美子。 日産自動車宣伝部の目論みは、あながち外れてもいない。僕も安易に引っかかった口なのだ。 当時は新車が出るというだけで大きなニュースだった。コマーシャルそのものが大ニュース。 そのメインキャラクターの女の子が、すぐに裸になって映画に出る。 助手席に乗せたい彼女が裸なのだから混乱したのも仕方がないのだ。
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