第3章 海の悪魔パウル・ハウゼン

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「くっ!?」 ベルンはその何かを、首を捻ヒネって避けた!! な、何が口から出たのかと思えば、ブルグンは口から血を飛ばしたようだ!!戦いの中で口に溜まった血をベルンの目に向けて飛ばしたのだ!! 首を捻(ヒネ)ってブルグンの血を避けたベルンの体勢は崩れている!! そこに向けてブルグンは剣を横に薙ぎ払う!! 「死ねっ!!」 体勢の崩れたベルンは、いつもの華麗なステップを踏む事が出来なかった!! ガッツっ!!!! かろうじてベルンはレイピアを縦に構えてブルグンの剣を受けた!! しかし、これがいけなかった!! あんな細身の剣でブルグンの怪力を受け止められる訳が無い!! 俺は思った!! ベルンの剣はへし折られ!!彼の身体は真っ二つになる!! しかし!! ブワッ!!!! チビで体重が軽いのが幸いしたか!? ドガッー!!!! ベルンの剣がブルグンの剣と接触した瞬間、ベルンは身体ごと吹っ飛ばされたのだ!! そして甲板の床に叩きつけられ、少し離れた場所までゴロゴロと転がる!! 顔がアイドルのせいか、その転がり方も洗練されているように見える!! 「ベ、ベルンさん!?」 「ベルンさん!!」 パウル勢の海賊が口々に叫ぶ!! か、勝った!! ブルグンは嫌いだが、俺は内心喜ぶ!!ブルグンは生き残り、敵のナンバー2という男を倒してくれた。 これで後の展開が楽になる。 しかし!! 「くそっ!?噂以上だなっ!?」 ブルグンが悔しそうに言う!! どういう事だ!?俺が不思議がっていると、甲板の床に叩きつけられて仰向けに倒れていたベルンがムクリと立ち上がる!! そして昼寝から覚めたかのような様子で、自分の服の誇りを払った!! な、なんということだ!見るからにノーダメージだ。信じられない……
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