第2章 ゲーム開始

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その声の主の説明によると、どうも俺たちは海賊にさらわれたようだ。それも奴隷として売られる為にである。 俺達をさらったのは、あの有名な海賊ブルグンだと言う。あの有名なと言われても知る訳がない。相手はゲームのキャラクターなのだ。 ちなみに俺に説明をしてくれた声の主はムンクと言う名前らしい。俺と同じ十七歳という事だ。 今の状況をムンクから聞き終わった俺としては納得がいかない。俺がなぜ、奴隷として売られなければいけないのだ? 仕組みは分からないが今俺が見ているこの夢は、先ほど始めたゲームの中なのだろう?俺は海賊になるゲームを始めたのだ。それなのに奴隷はおかしい。 それとも夢の中でプレイされるとの文面は比喩であって、実際に今見てるこれはただの夢か? 確かに夢の中でゲームをするなんて信じられないとは思う。どういう原理なのかと聞きたい。 しかし今の世は、こちらが内緒で見ているサイトの内容まで知る方法を編み出したのだ。人の夢の中に関与出来るゲームの一つや二つぐらい、あってもおかしくないだろう。 そんなことより、なぜ、俺が奴隷なんだ?それが一番の疑問だ。これでは【海賊GAME】で無くて、【奴隷GAME】になってしまう。 うーむ。俺が考えるに……二つあるな…… 俺たちを捕まえて奴隷として売ろうとしている悪者海賊、ブルグンだったか? 俺がそいつを倒す。そして海賊になる!! もう一つのストーリーは俺たちを売ろうとしているブルグンの仲間になる。そして海賊になる!! おそらく、どっちかだろう……俺は悩む。 アクションRPGなのか、シュミレーションゲームなのか分からないが、こういう場合は何か行動を起こさなくてはいけないはずだ。 放っておけば、向こうからイベントがやってくる場合もあるが、こんな奴隷部屋でのんびりと待つのも嫌だ。 ブルグンとやらに戦いを挑み、倒すなり、仲間になるなりしなければ…… この【海賊GAME】はおそらくそういう類いのゲームなのだ。まずはここで自分の仲間でも募るか…… 俺はよくよく考えてから行動に出る。 「みんな、聞いてくれ!」 俺は部屋中に聞こえるように大声を張り上げた。
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