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この部屋に閉じ込められた人間は十代後半から三十代半ばぐらいの男ばかりだ。
男の場合、そのぐらいの年齢が奴隷として高く売れるのだろう。
「なんだ?なんだ?」
部屋にいる男共は大声にびっくりして俺を見る。
先ほどいろいろと今の状況について説明をしてくれたムンクも、びっくりして俺の顔を見た。
俺は息を大きく吸い込んで叫ぶ!
「今こそ立ち上がる時が来た!!我と共に戦え!!そして倒すのだ!憎きブルグンを!!」
「……」
「……」
「……」
部屋に沈黙が訪れた。なんだ?この沈黙は?
「……」
「……」
「……」
長い!長すぎるっ!!
もしかして爆笑か?爆笑されるのかっ!?
「……」
早くしてくれ!!
「……ば、馬鹿、ブ、ブルグン達に聞こえちまう!ど、どうしちまったんだ?お前!」
ムンクが小声で俺に言う。
周りの者は皆、息を殺すばかりだ。
俺は脳天をハンマーでぶん殴られたかのような衝撃を受ける!!なんだ?この反応は!!駄目だ!浮いた!!俺は浮き上がった!!
ゲームなんだからっ!!これぐらいぶちかました方がいいだろうがっ!!
なんだ?この部屋の雰囲気は?俺が空気を読めない残念な人みたいになってるじゃねえかっ!?
どうすんだよ。この居心地の悪さを!!
ゲームなんだから、みんなで「オー!!」とか言って返してくれればいいんじゃねえのか!?
やばい!!ムンクまで、俺をかわいそうな人でもみるような目で見ている。
「……分かった。ごめん、今のは無しにして」
俺の心は折れた。もういい!こんなゲーム、止めてやる!!
とにかく、目が覚めれば終わりだ!ほんとにクソゲーだ。何がただ面白いだけのゲームだ!!面白くもなんともないわ!!
すると聞こえる!!
「無しになど出来るかーっ!!」
突然、部屋の外で大声がする……
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