第2章 ゲーム開始

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俺は特殊能力「オーバー・ヒート」の使用方法を読む。 何々?「オーバー・ヒート」を使用するにはかけ声が必要です。 かけ声を設定して下さい。だと!? 勝手にこちらで決めて良いのか? どうする?どんなかけ声がいい?注意書きを読むと「かけ声は何度でも変更可能です」と書いてある。 う~ん、悩んでいても仕方が無い!!技の名前が「オーバー・ヒート」なのだ。かけ声も「オーバー・ヒート」で良いだろう。 「HELP」には……能力を使うには、かけ声の後に「発動」と付け加えて下さいと書いてある。 俺の場合は、「オーバー・ヒート発動」と言う事でこの反則技を使えるようになる訳だな。 これで万全と思い、俺がスマホをしまおうとしたところ、気になる注意書きが「HELP」には書いてあった。 「オーバー・ヒート」発動中は「海賊力」が減っていきます。「海賊力」が「0」になると特殊能力は使用出来ません。 そうか、「海賊力」とは魔法が使えるファンタジー・ゲームの場合のマジック・ポイントのような役割を果たす訳だな。つまり、その「海賊力」とやらが無くならないように気をつけないといけないのだ。 そうなるとどうしても気になるのが「海賊力」の回復方法だが、これは時間と共に回復すると書いてある。 後は、ゲーム内通貨で一気に回復させる事も可能と書いてあるが、俺はスマホゲームなんぞに課金はしないので関係は無い。 「おい、お前、さっきから何をやってるんだ?」 おっ?ムンクが心配そうに話しかけてくる。 「いや、ちょっとスマホでヘルプを見てたんだ」 俺はムンクの目の前で自分のスマホをプラプラと振って見せた。 するとムンクは不思議そうに言う。 「な、何?なんかあるのか?」 ん?ムンクの目の焦点があっていない。スマホが見えていないのか? 「なんだ?これが見えないのか?」 ムンクは不思議そうに俺の顔を見る。 そうか。見えないのか。ゲーム内のキャラクターには俺のスマホは見えないようだな。 「いや、何でも無い。気にしないでくれ」 俺はニヤニヤして言う。 「ムンク。お前に俺の本気を見せてやるよ」
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