第2章 ゲーム開始

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「な、なんだ?本気って?」 「まあ、見てろ。こんな手錠なんてクソ食らえだ!」 俺はそう言うと気合いを入れる!! 「ど、どうするつもりだ?ま、まさか……」 ムンクは驚いた表情で俺を見る。 そして俺はムンクに聞こえないように小声で唱えた。 「……オーバー・ヒート発動」 俺の体内に何かがみなぎる!なんだ?この感覚は?力が溢れてくる!! 俺は気合いを入れた! 「おりゃっー!!」 この!!クソ忌々しい手錠を!!ぶち壊して!!やっ!!るっっー!! ミシッ!!ミシッッ!!ミシシッッ!!!! 「おいっ!?」 ムンクが驚いた声をあげた!! 俺の手首を拘束している頑丈な手錠が大きな音をたてて軋(キシ)むっ!! ミシッ!!ミシシッッ!!!! きしむっ!! ミシシッッ!! きしむっー!! ミシシッッ!ミシッ…… きしむっ……が……壊れない…… ……なんて頑丈な手錠なんだ? 「ふうー」 俺は一度力を抜いた。駄目だ、どんなに力を入れても壊れないぞ。 「……おい?壊そうとしたのか?」 ムンクが俺に聞いてきた。 「……」 やめてくれー!!恥ずかしい!!俺は自分の顔が真っ赤になるのを感じた!顔が熱い!!ひぃー!! 「おい?お前、今この手錠を素手で壊そうとしたのか?」 至極真面目な顔でムンクが俺に聞く。 「ちがっ、違う!!だ、断じて違う!!」 俺は慌てて言った! 「だって、お前、今、すごく格好つけて『俺の本気を見せてやるよ』って……」 「や、やめてくれー!!頼む」 ああっ!!このクソゲーがっ!クソゲーがっ!!クソゲーがっっ!!! なんだよ!?この頑丈な手錠は?これこそ反則だろ!!この状態でさっきのブルグンが戻って来たら「オーバー・ヒート」を使おうがどうしようが勝てやしないだろうがっ!?
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