第3章 海の悪魔パウル・ハウゼン

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ブルグンの攻撃で吹っ飛ばされたのではないのか? 「ベ、ベルンさん?だ、大丈夫ですか?」 ベルンの仲間の一人が心配そうに声を掛けた。 「自分で跳んだんだ」 ベルンは少し怒った顔で言う。そして仲間にみっともない所でも見られたと思ったのか、少し恥ずかしそうである。 そうか!?そういうことか!!とてもブルグンの怪力をあの細い剣で受け止める事は出来ない。だから、デブッチョの攻撃をレイピアで受けた瞬間に、同じ方向に身体ごと飛んでブルグンの攻撃の威力を殺したのか!! 「卑怯者っ!!」 ベルンはブルグンを怒りの形相と思われる表情で睨みつける!! くそっ!アイドルは何をやってもかっこいい。 本人はもの凄い形相で睨んでいるつもりなのだろうが、いかんせん、顔が可愛すぎる!! 怒った顔がキュート過ぎる!!こんなん、美少年好きな女共が見た日には、むしゃぶり付きたくなるに違いない…… なんだ!?これは!!このタイミングで緊張感に欠ける!! 今まで、変なところでリアルを追求しておいて、ここに来て美少年好きな女共に尻尾を振るとは最低なクソゲーだな!! エンターテイメントをなんと心得る!!と怒鳴りつけてやりたい!! 「許さないぞ!この卑怯者!!」 死ね!死ね!死ね! 俺は急にこのアイドル顔が嫌いになった!! 「卑怯者だと!?殺し合いに卑怯もクソもあるかぁ!!」 ブルグンがベルンに言う。 「なんだとぉ!!」 「正々堂々が正しいと思えるなら!!それはお前が世の中を何も知らないと言っているのと同じ事だ!!」 ブルグンは吠える!! 素晴らしいぞ!!デブッチョ!!俺は逆にお前ぐらいにひねくれてる奴の方が好きだぞ!! 「くっそー!!もう許さないぞ!!」 くそっ!!言い方まで可愛い!! いったい、この【海賊GAME】は何を目指しているゲームなんだ!? んっ?あいつっ!? 真っ直ぐにブルグンに突っ込んで行きやがった!! 頭に血が上り過ぎだ!!ブルグンの怪力で殺されやがれ!! 「馬鹿め!!死ね!!」 ブルグンが大上段に構えたカトラスをベルン目掛けて振り下ろす!!
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