第1章 ただ面白いだけのゲーム

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「海賊ゲーム?」 それは個人のブログの記事下に表示された目立たない広告だった。 「なになに?ゲーム・バランスが最悪の逸品?ゲーム・バランスが悪いのに逸品なのか?」 俺は書いてある文面に興味をそそられた。 あまり俺はネットの広告をクリックしないのだが試しに、その広告をクリックしてみる。逆にもう寝ようと思っていたのが良かったのかもしれない。 今日は終わりにして寝るつもりなのだから、最後にこの広告だけ見てみようとそう思ったのだ。 ________________ 【海賊GAME】 海賊になろう!あなたは海上の略奪者であり、海の冒険者です。 仲間を増やし、略奪に略奪を重ね豪快に生きるもよし、幻の金銀財宝を探し七つの海の覇者となるもよし!楽しみ方はあなた次第!! クリア条件は無し!! ただ面白いだけのどうしようもないゲーム!!  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ クリア条件無しって……じゃあ、終わりは? クリア条件が無いゲームなんておかしいだろう?何をすれば良いのか分からないじゃないか。 「とにかく、アクションRPGみたいなゲームなのかな?」 俺は迷った。「ただ面白いだけのゲーム」という自分で言っちゃった感のある誘い文句に興味を持ったが、元来、俺はゲームをしないし、たまにしたとしてもパズルゲームをするぐらいだ。 理由はゲームというのは非建設的で無意味に時間を費やしているような気がするからだ。 しかし、ゲームの説明に気になる一文を見つけた。 ________________ ゲームはあなたの睡眠中にプレイされます。あなたはただ眠るだけ……  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ どういう事だ。寝るだけでゲームが出来る?意味が分からない。 もしかして夢の中でゲームをするのか?まさか!? しかし、これから寝ようと思っていた所だ。もし夢の中でゲームが出来るのであればうってつけじゃないか? 俺は【海賊GAME】の「スタート」ボタンをクリックした……
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