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だが、順調だと思っていた子育てに対処しきれないこともあった。
いつものようにリオに山羊の乳を与えながら、降りやまぬ雪を見ていた時だった。
必死になって哺乳瓶に吸い付くリオが、この時はなぜか乳を飲もうとしない。
いつもと何かが違っていた。
「リオ?」
俺がそう呼びかけると、ダァダァ返事をしながら笑顔で応えるはずなのに、俺の顔を見ようともしない・・・
何かが、おかしい。
ぷくぷくとしたリオの頬をつつくと、いつも温かいリオの頬が更に熱を増していた。
呼吸も辛そうに肩で息をしている。
・・・もしかしたら、何か悪い病気なのかもしれない。
小さな小さな身体全体を使って一生懸命に呼吸をしているリオも見ていると、なんだかいてもたってもいられなくなってきた。
生まれてこのかた人との交流なんてほとんどなく、リオと出会ってからは小屋に閉じこもり、切り刻みのサムとして町に出ることも辞めていた。
そんな俺が、初めてリオと共に外に出る日がきた。
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