~1998~

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いつも選ぶのには大して時間はかからない。 直感、というか、向こうから手招きをされ、俺はただただその手招きに従っているだけだ。 だから失敗したことはない。 面白い程に全てが上手くいく。 町も人も眠りにつき、静かな孤独の中を今日も俺は歩く。 一軒一軒の声を聴きながら。 ふと一軒の家の前で足が止まった。 その家は大きめだったが、他の家とは異なり俺を手招きしてくれている。 頑丈にできているであろう冷たい扉にそっと耳を押し当てる。 静寂だけが返ってきた。 やっぱりか。 今日の獲物が決まった。
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