~1998~

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肩にかけていた鞄から、馴染みの作業道具を取り出す。 と共に、ほんの一瞬、研ぎ澄まされていた五感が正確に何かを察知して、俺は近くにあったシルバーの車に身を隠した。 「せんぱーい、こんな寒い日になんで俺達がパトロールなんてしなきゃいけないんですかぁ。 大体今日って何の日か知ってますかぁ?」 「当然だろ、今日はクリスマスイブじゃねぇか。あーもうてっぺんは超えたから、もうクリスマスか。 こんな中忙しく働いているのは、俺たちかサンタクロース位だろうなぁ」 「そうっすよねぇ。 大体、隣町に例の【切り刻みのサム】が出たからって、俺たちの町にも出るとは限らないんだし、クリスマス位あいつも家族サービスに忙しいと思いますよぉ」 「そうだなぁ。まぁ、この辺ちゃっちゃと見て、2時間後の見回りの時にはジャンケンで負けた方が一人で見回りすることにするか・・・」
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