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さぁ、ここからが本番だ。
研ぎ澄ましていた神経を、更に研ぎ澄まして扉を開ける。
思った通り、家の中は立派だった。
天井からぶら下がった立派なシャンデリアに大きなテレビ、大人が隠れられそうな暖炉に、高価な美術品の数々、そしてクリスマスツリーの下には色とりどりの包装紙にくるまれたプレゼント・・・
極まれに、だが、入ってみてから落胆するような家もある。
外観だけが素晴らしく、中身が伴わない家だ。
だがそんな家に入っても、俺の狙いは変わらない。
大広間を抜けカーペットが敷かれている階段を昇っていくと、これまた立派な壺が飾ってあった。
作られたのはきっと今から五百年程前、時価三千万円程だろう。
目利きには自信がある。
今まで様々な美術品を見てきたからだ。
指輪やネックレス、水晶、天然石、壺や器、絵画、掛け軸・・・
この世には美しいと言われ値の張るものが山のようにあるが、俺にはどれもちっぽけに見えた。
かけたり壊れてしまえばたちまち価値は半減する。
そんなものに金を費やして、いったい何になるのだろう。
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