~1998~

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どれもこれもくだらない。 だが俺には無意味に思えるものが、この世界では高値で取引され、皆がほしいと望んでいるようだ。 たった石ころ一つに何千万円という値が付く。 ここは衣裳部屋だろう。 アンティーク物の机の引き出しの上、中には輝く宝石がいくつも入っていた。 特に高値で取引されている石を鞄に入れ、部屋を出る。 埃一つ落ちていない廊下に再び出ると、本当の狙いを定めるために再び神経を研ぎ澄ませる。 やはり、あそこか。 一番リスクは高いが、やるしかない。 絵画の飾ってある廊下を突き当り、右の部屋の扉に手をかけ、ゆっくりとノブを回す。 【大丈夫だ】 俺の五感がそう言っていた。
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