~1998~

8/20
前へ
/23ページ
次へ
俺の感は外れたことがない。 一際暗くしていたその部屋は、人の寝息が聞こえるだけだった。 大きなベッド、その片隅にあるクローゼットにゆっくりと手をかける。 呼ばれている。今までより大きな声で。 クローゼットの中には小さな隠し扉があり、その扉をゆっくりと開く。 今、出してやる。 くしゃくしゃの紙袋に包まれて、それはあった。 手に持つと、ずっしりと重みがある。 大量だ。 思わず口の端が緩んだその時だった。 「だれ、そこで何をしてるの?」
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加