古典

4/10
前へ
/12ページ
次へ
多少机に落書きされたぐらいじゃ文句は言わない。 だがこれは、俺に投げかけられている「問い」だ。 なんとなく書かれていることに目を通す。 「意味が分からん。」 どうして俺にこんな質問をするのかが分からない。 なんで月曜の朝から問題を解かなきゃいけないんだ。 「…ん?」 ふと、この字を見たことがあったような気がした。 なんとなく指先で文字をなぞった。 あまり癖のない読みやすい字。 だが睡魔には抗えず俺は無視してそのまま机の上に伏せた。 教室にはまだ誰もいなくてゆったりとした時間が流れていた。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

30人が本棚に入れています
本棚に追加