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「……ってぇな………」
頭の痛さと気持ち悪さで目が覚めると、携帯のディスプレイに表示された時間は午後3時
昨日は結局ボーリングの後は二次会、三次会まで続き、家についたのは5時だった
シャワーを浴びていない身体はベタついている気がして、二日酔いの不調に苛立ちながら手早くシャワーを浴びた
今日は午前と午後に1コマずつ講義が入っていた気がするが、午後の方にももう間に合わないだろう
とりあえず水を飲み、テレビをつけた辺りで携帯が着信を知らせる
千尋からだった
「はい」
『龍也、あのさ、夜お前の家行っていいよな?』
あいつは昨日も他の男のとヤッたってのに、今日は俺とってか?
「なにお前、発情期?毎日ヤッてねーと気ぃ済まねぇのかよ」
馬鹿にしたように言っても、千尋は余裕な口調を崩さない
そればかりか、逆にこちらをからかうように笑いを含んだ声音で言う
『おいおい妬いてんの?この前といい、お前俺のこと好きすぎ。かーわいいじゃん』
「誰が妬くかクソビッチ!」
『照れんなって、じゃあ7時には行くから』
ガチャリと一方的に切られた携帯を苛立ちに任せてベッドに投げつけ、盛大に舌打ちする
妬いて可愛いなんて馬鹿にされたから苛立ったのか? 違う
口調やわざとらしくからかわれたことで、改めて俺は千尋にとって、ただのセフレでしかないことを思い知らされたからだ
期待なんてしないと決めていたのに
心の中までは嘘をつけないらしい
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