ゆびきりげんまん

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ゆーびきりげんまん、うーそついたら、はりせんぼんのーます ゆびきった やくそくだよ、わたしを、ぜったいにおよめさんにしてね。 *********************** ぼくは晴れて就職も決まり、社会人の1年目を迎えている。 仕事も慣れてきて、恋愛のほうも同期の女の子と付き合っているし 公私共に充実した生活を送っていた。 ぼくと彼女の仲も深まり、彼女は時々ぼくの家へ泊まるようになった。 ぼくはそろそろ彼女に、プロポーズしようかと考えている。OKしてくれるだろうか。 ぼくは彼女の誕生日に思い切ってサプライズでプロポーズしようと思った。 そして意を決してぼくは指輪と共に、彼女にプロポーズした。 彼女はあっさりOKしてくれた。よかった!断られたら指輪どうしよう、とか弱気になっていた。 ぼくたちは年内に結婚をすることにした。結婚式には地元の友達も呼ぼう。 ぼくは地元の学生時代の友達にも結婚式の招待状を出した。 ある日そんなぼくの元に、1通のメール便が届いた。 差出人は覚えが無い。 なんだろう?誰かがぼくの名前で何か応募したのかなぁ。 以前一度、友達にやられたことがあって、 「応募した覚えの無い懸賞に当たったって何か来た」 と言ったら、友達が 「あ、それ俺、俺!スマン、お前の名前使っちまった!」 と言われたことがあったのだ。さしてその懸賞品に興味もなかったので 別に怒らなかったけど。 ぼくはメール便を開封してみた。その中にさらにビニールの袋が入れてあり、 さらに厳重に布に包まれた何かが入っている。 ビニール袋をあけ、布をほどくうちに、布がどんどん白から赤に変わって行き ぼくはすごく禍々しい嫌な予感がした。 真っ赤な布の間から出てきたのは、人間の小指だった。 ぼくは思わず女みたいな悲鳴を上げて、その小指を放り出した。 よく見るとメール便に手紙が同封されていた。 「指きりげんまん 約束 覚えているよね」 そう書いてあった。 ぼくには身に覚えが全く無い。 なんなんだ、これ。何の嫌がらせなんだよ。 ぼくは警察に届けるべきか悩んだ。
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