第1章 僕の話

6/19
前へ
/252ページ
次へ
今日も会社でストレスが溜まりました 今日は 待つ方にしようと思います 僕は 平日の帰宅時 週に3日ほど 僕の 本来降りる駅より前に ある駅で降ります 今日は 定時だったので待つ日です 1時間ほど過ぎた頃 目的の人物が 改札口から見えてきました 彼です 相変わらず 眠そうです 余程 疲れているのか足元がおぼつかないです 僕は 読んでいた小説をしまい 電車に乗り込む 彼の姿を目で追います 彼が 電車に乗ったのを確認し 彼の車両に 他の乗客に紛れながら乗り込みます 彼は 僕を知りません 僕の事に 気づきません こんなに近くにいるのに 帰りの電車も 朝同様 満員です 僕は 彼の後ろ姿を眺めながら 自分の股間を触ります 彼の後頭部が 剥げた親父の向こう側に見えます 早く 君に触りたい でも 焦りは禁物です もうじき 次の停車駅に着きます その停車駅に着くと 人が一気に移動を開始します 降りる人と 乗る人が非常に多い駅です そのどさくさに紛れ 彼の近くに移動します 彼は スマホを弄らず うつらうつらと手すりに掴まっています 僕は 彼の後ろに辿り着くと 彼の足の間に 手のひら側を上にした 人指し指を ズボン越しにツッ……と撫で上げます 彼は 肩をビクッ!とはねさせ 周りをキョロキョロします
/252ページ

最初のコメントを投稿しよう!

393人が本棚に入れています
本棚に追加