【ぼっちと吸血鬼】

2/8
5人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ
「――ねえ」 「はあ」 「…何よその気の無い返事は」 「いや、俺さんに話し掛ける人なんていないと思ってたし、突然だったし」 「突然だったらもっと違う反応が有るでしょう」 「まさかの駄目出しすか。…で、何か用でもありまして?」 「ええ。用ならあるわ」 「……何でしょうか」 「相談よ」 「…えっと、失礼すけど貴方は?」 「ん?何?名前?人に名前を尋ねるときは自分から名乗れって習わなかったかしら?」 「生憎ぼっちな人生してるんで、そう言ったコミュニケーション能力は皆無なんすよ」 「まあ良いわ。アレイよ。あーちゃんって呼んで良いわよ?」 「其れは段階をもっと何段か越えたあとに考えさせて頂きます」 「何段も越えたら恋人じゃない」 「その方向には跳ばないと思います」 「そう、残念ね」 「残念なら残念で良いけど、それなら少しは残念そうな顔をする努力が欲しかったす」 「何?残念そうな顔って……ああ、大丈夫よ。建前だから」 「何が大丈夫かは分からないんだけども」 「本心だから」 「貴方が面倒臭いって事は分かった」 「で、貴方は?」 「えと、何が?」 「この状況でなに聞くと思ったのよ」 「人生のモットーとか?」
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!