【ぼっちと吸血鬼】

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「名前よ。こんなの常識じゃないかしら?」 「生憎ぼっちを生業としてるんで、そう言ったコミュニケーション能力は皆無なんです」 「さっきと一言一句同じように返すとは思わなかったわ」 「…桐。春夏冬桐。春夏秋冬の秋抜いてアキナシ。駆逐艦の名前にもある桐っす」 「分かりにくい」 「木へんに同じで桐です」 「最初からそれで良いじゃないの」 「で、何でしょうかいな」 「何がよ?……ああ、そう言えば相談があったのよ」 「……俺さんに?」 「ええ。貴方に」 「え、と。自分で言うのもなんだけども、人選ミスだと思う」 「いいえ?人選ミス何かじゃないわよ。寧ろ適役だと思うわ」 「…はあ」 「友達がほしいのよ」 「ごめん。やっぱり人選ミスだと思う」 「そう言ったのは良いから真面目に聞いてくれないかしら?」 「…」 「なによ」 「いや、貴女ってもっとひねくれてると思ってた、と言うか思ったから」 「どういう意味よそれは」 「穴の空いたコンニャクにクルっと通したやつみたいな」 「それ捻れてるわよ」 「ハチマキみたいな」 「捻ってないわよそのままじゃ」 「まあそれは置いといて。えっと、何でしたっけ」 「友達が欲しいの」 「友達すか」 「ええ。目標はクラスのアイドルよ」 「目指すハードルが高すぎて驚きを隠せない俺さんなんだけども」
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