【ぼっちと吸血鬼】

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「と言うか何で俺にこんな相談を?口が固そうとでも思ったんすか?」 「だって貴方友達いなさそうじゃない」 「……いや、多少はいますよ……うん」 「あれ……ああ。失礼な事言ったわね。謝罪するわ。でも口が固そうと思ったのは本当よ」 「いや、謝ってくれなくとも別に良いんだけど、そう言った事はたとえ本当でも口にする事無いんじゃないの?」 「そうかしら」 「言って良いことといけないこと位あるんすよ?」 「そうね。言って良いことと言うまでも無いことはあるものね」 「……いや、それ実質一択すよ」 「気のせいよ」 「…と、言うか俺にそれ言うって事はなんだ、俺さんと仲良くしたいんすかいな?」 「あんたは別にどうだっていいわ」 「えぇ……」 「いや、言いふらされたら困るのよ。だから口がそれなりに固そうで友達いない貴女。理には叶ってるじゃない」 (言いふらしてやろうか) 「と言うか俺さんを何だと思ってるんよ」 「何だと言われても、別に何とも思ってないわ」 「せめて何かは思えよ」 「別にあんたの事なんて何とも思ってないんだから!」 「ツンデレにかこつけてもこの文脈じゃ本心だよこんちくしょう!」 「本心とかそうやって言うならきりりんの友達を……なによ」 「きりりん!?きりりんって俺さんすか?」 「あなた以外に誰がいるのよ。まあ、こんな相談をする仲じゃない。別に他人じゃないでしょ?」 「数分前までは名前も知らない人でしたんけども」 「同じ屋根の下で食事を共にした仲じゃない」 「いや、学校内ならそれ皆じゃないすかね。結局他人じゃないすか」 「他人じゃないわよ。クラスメイト」 「顔も名前も知らないクラスメイトってもうそれ他人レベルじゃ」 「あんた本当にコミュニケーション能力最低レベルなのね!?クラスメイトの名前位は覚えときなさいよ」 「一人は覚えた」 「誰よ」 「アレイ。あーちゃん」 「…光栄ね。まあ、良いわ、うん。それで貴女の友達。教えてくれない?貴女の友達なら信頼出来そうだし、後で話でも聞いてみたい」 「まあ、後で何か機会があれば。それで、俺さんは何すれば良いのさ?言っとくけど仲の取り持ちなんて真似は出来ないから」 「そんなの貴方には期待してないわよ。私と同じで友達いても少なさそうだし」 「少なくない。少数精鋭と言うには多すぎるね」 「編成は?」 「一人と一匹」 「…それは凄いわね。皮肉じゃなくて」
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