5人が本棚に入れています
本棚に追加
「と言うか何で俺にこんな相談を?口が固そうとでも思ったんすか?」
「だって貴方友達いなさそうじゃない」
「……いや、多少はいますよ……うん」
「あれ……ああ。失礼な事言ったわね。謝罪するわ。でも口が固そうと思ったのは本当よ」
「いや、謝ってくれなくとも別に良いんだけど、そう言った事はたとえ本当でも口にする事無いんじゃないの?」
「そうかしら」
「言って良いことといけないこと位あるんすよ?」
「そうね。言って良いことと言うまでも無いことはあるものね」
「……いや、それ実質一択すよ」
「気のせいよ」
「…と、言うか俺にそれ言うって事はなんだ、俺さんと仲良くしたいんすかいな?」
「あんたは別にどうだっていいわ」
「えぇ……」
「いや、言いふらされたら困るのよ。だから口がそれなりに固そうで友達いない貴女。理には叶ってるじゃない」
(言いふらしてやろうか)
「と言うか俺さんを何だと思ってるんよ」
「何だと言われても、別に何とも思ってないわ」
「せめて何かは思えよ」
「別にあんたの事なんて何とも思ってないんだから!」
「ツンデレにかこつけてもこの文脈じゃ本心だよこんちくしょう!」
「本心とかそうやって言うならきりりんの友達を……なによ」
「きりりん!?きりりんって俺さんすか?」
「あなた以外に誰がいるのよ。まあ、こんな相談をする仲じゃない。別に他人じゃないでしょ?」
「数分前までは名前も知らない人でしたんけども」
「同じ屋根の下で食事を共にした仲じゃない」
「いや、学校内ならそれ皆じゃないすかね。結局他人じゃないすか」
「他人じゃないわよ。クラスメイト」
「顔も名前も知らないクラスメイトってもうそれ他人レベルじゃ」
「あんた本当にコミュニケーション能力最低レベルなのね!?クラスメイトの名前位は覚えときなさいよ」
「一人は覚えた」
「誰よ」
「アレイ。あーちゃん」
「…光栄ね。まあ、良いわ、うん。それで貴女の友達。教えてくれない?貴女の友達なら信頼出来そうだし、後で話でも聞いてみたい」
「まあ、後で何か機会があれば。それで、俺さんは何すれば良いのさ?言っとくけど仲の取り持ちなんて真似は出来ないから」
「そんなの貴方には期待してないわよ。私と同じで友達いても少なさそうだし」
「少なくない。少数精鋭と言うには多すぎるね」
「編成は?」
「一人と一匹」
「…それは凄いわね。皮肉じゃなくて」
最初のコメントを投稿しよう!