【ぼっちと吸血鬼】

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「日本語って難しいすね」 「そうね。其れでこの人参何で持ってるのよ」 「ウサギにあげようかと」 「校舎裏の?」 「うん」 「中々可愛い所有るんじゃない」 「友達だし」 「……なに、もしかしてさっきの友達ってウサギの事?」 「一匹の方はね」 「……ちょっと貴方が可哀想になってきたわ」 「名前はジビエ」 「前言撤回。貴方食べる気じゃないの!?」 「何で友達をシチューにして食べるんすか」 「シチューとは言ってないし、食べるのね。貴方」 「煮込みに決まってるじゃないすか!」 「食べるのね!」 「ウサギは友達」 「ボールは友達みたいな言い方しないでちょうだい。その言い方だとボールが可哀想に思えてくるわ」 「まあ冗談すよ」 「何が?何処までが冗談か言ってくれなきゃ私ウサギを保護しなきゃいけないの」 「食べんの?」 「食べないわよ」 「それで何だっけ」 「何が……ああ、そうね。友達を作ろうって奴ね」 「何で本人が一番乗り気じゃないんすか。俺さんに相談しといて」 「取り敢えずそうね。また明日考えましょう。今日はもう遅いし」 「……はあ」 「帰る方向どっちよ」 「…あっち」 「途中まで一緒ね」 「……何で楽しそうなんすか」 「楽しくないの?」 「……別に」 「……そう」 「楽しくない訳でも無いけど」 「そう」
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