~プロローグ~

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あの時の俺に 彼女の手を引いて連れ去る勇気があったなら。 仕事なんか定時で切り上げて、家で待つ君の元へ。 寒いねって笑う華奢なその身体を抱き締めて……押し倒す。 痛いとか、危ないとか関係無しにとりあえず押し倒して……一晩中…… 「…………うわっ」 えげつない妄想に自己嫌悪。 なに、興奮してんだよ……俺は。 「あ……一ノ瀬。今、エッロイ想像してたっしょ~?」 ハッとして顔をあげると、宮我が人差し指をクルクル回しながらにやついていた。 「今日は彼女とどんなプレイしよっかな~とか?気取った顔してもお前ってムッツリスケベなんだなぁ~?!ギャハハッ」 あながち間違いじゃないから余計に腹が立つ。 それに……、 いつまでも女々しい自分にも。 これだから……雪は嫌いだ。
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