第一章

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「こんな扱いを受けたのは初めてだ!私はコーヒーを受け取ろうとしただけだよ!それなのに、あの女はまるでセクハラでも受けたかのような目で私を見やがる!!」 「誠に申し訳ございません、お客様っ!!今後はこのような事が無いように教育して参りますのでっ……。あの、こちらクリーニング代と……ほんの、気持ちですが御車代に……」 「……ふんっ!!悪いことは言わない……、あの自意識過剰女をクビにしろ!!二度とこんな店に来るか!!」 店長から封筒を差し出された中年男性が、スーツの裾を翻して自動ドアから去ってゆく。 アリガトウゴザイマシタ と、機械の音声が聞こえる厨房内。 スタッフ一同の鋭い眼差しを背中に感じながら、私はホールへと飛び出した。
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