第一章

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私の背後の扉が完全に閉まり切ったのを確認すると、彼女の態度は豹変した。 「あ~……ダ、ルッ……」 フカフカのチェアに深くもたれ掛かり、長い足を組み替えた。 凛とした雰囲気はどこへやら 口端をピクピク揺らしながら、視線はコーヒーメーカーを凝視していた。 「あ……、コーヒー飲みます……?」 「勿論よ」 「はい……」 これが麗先生のやり方なのか、それとも私個人にだけなのかはわからない。 治療方はそれぞれと言っていた。 もしかしたら、病院というイメージを払拭する為の計らい……なのかな?
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