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「なぁ、一ノ瀬も寒いだろ?雪降るんじゃねーのってさぁ」
「…………別に」
「そっか。お前北海道出身だもんな~!寒さにはつえー訳だよな」
寒いと思うこと位は、俺にだって当然ある。
空気も冷たくなる十一月はもう後半、今日の気温は10℃あるかないかってとこ。
耐えられないことはない。優しいもんだろって思う。
それに……雪は嫌いだ。
寒いとか……そういんじゃなくて。
ただただ、嫌い。
「一ノ瀬くん……あれどうなったかな。土井さんとこの酒屋の件は」
クライアントの名を、さも古い友人のように呼んでのける所長が俺の背後から手元を覗いていた。
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