エクストリーム温泉男子

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なぜ新歓が子供用プールなんだ!? 狭い子供用プールに3人。 何が楽しいんだ!? 部長と小動物は寛いでいるが、俺は体育座りだ。 「プール使えるじゃん!」 「そうだね」 「部費使い果たしちゃったけどねー」 「そうだね」 部室にはうさぎの着ぐるみ、プラカードが無造作に置いてある。 小動物はどこからか水鉄砲を取り出した。標的は俺だ。 「自己紹介がまだだったね。僕は3年の柿原颯汰。部長だよ」 このタイミングで自己紹介!? 「温泉、ハクション、部は部チョーが1人で立ち上げたんだー」 「次は江頭湊くん」 「はーい! 2年生でーす! エガちゃん先輩って呼んでー! 将来の夢は男子俺以外禁制の温泉をつくること! 題してハーレム湯! おっぱいがいっぱい!」 おっぱい星人!? 「次は新入部員」 「……一年の村山篤志ですーーじゃなーい!?」 俺は勢いよく立ち上がる。 「何で子供用プール! 金がなくたって温泉入りましょうよ! あんなにあるんだから!」 俺はジオラマを指差す。 ドアが開いた。 入ってきたのは女教師だ。 「新入部員はどこだ? お前か」 「こっちら顧問の昌美ちゃーん」 「江頭、昌美ちゃんじゃない。田上先生と呼べ」 俺は固まった。 股間のタオルが落ちる。 何かが光った。 「!」 俺は恐る恐る股間をみる。 ーー丸出しだ。 カッと顔が熱くなる。 しゃがみ込んだ。 田上先生はずかずかと入ってくると、俺をじろじろ見下ろした。 「な、なんなんですか!」 「毎日腹筋100回」 「は?」 「アタシが見たいのはガキの貧素な体じゃないんだ。お前にはまだ脱ぐ資格がない!」 ガーン……! なんかわからないが、ショックだ。 何なんだこの部は、入部するんじゃなかった。 「今辞めたいと思っただろうが、もう遅い」 ぬっと長身の男が現れる。 デカい。 190近くあるんじゃないか。 黒髪で七三で眼鏡。 気持ち悪い要素が満載だ。 「沖守、ポロリは逃してないだろうな?」 沖守……ジオラマを作った人か。 ゲリラにはいなかった……いや、着ぐるみの中身だ。 沖守先輩は眼鏡を上げる。
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