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デパートで地味に真面目に販売して六年。企画や配置を手がけ、売り上げへの責任を負わされている。
仕事が恋人だと言う気はないのに、現状は正にソレ。
友だちの伝手で出会いはあるけれど、決心がつかなかった。
しかし私も三十路が近付いてきた。
姪っ子の可愛さも格別だ。
もう色々と、覚悟を決める年齢だった。
そんなときに、出会った。
ショーケースに並ぶネックレスに、目を奪われる。
無意識に立ち止まり、息が詰まるほど見入ってしまった。
魅入って、しまった。
一か月分の給与を楽に上回る値段だった。
装飾品の為に貯蓄を崩すのはどうだろう。
しかもミツバチを象ったデザインで、シンプルだがフォーマルではない。
この手の散財は、オトコ受けも良くないだろう。
そして今日私は、改めてショーケースの前に立っている。
覚悟を決めて顔を上げ、指で示しながら口を開いた。
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