夢の中で

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だから、家には絶対に帰りたくなかった。 だって、家にはわたしの居場所なんてなかったから。 わたしには、2つ年上の兄がいてお兄ちゃんはわたしよりも優秀だった。 可愛げがあった。 だから、お母さんだってお父さんだっておばあちゃんやおじいちゃんだってお兄ちゃんのことが大好き。 わたしは_、 相手にされなかった。 「なんでいつもソラの部屋はこんなに汚いの!これ全部捨てていい? 汚ったない!信じられない!」 そう言ってお母さんはわたしを罵った。 でもね、お母さん、 わたしはお母さんに言いたかった。 「お兄ちゃんの部屋はもっともっと汚いんだよ」って。 「兄ちゃんは、いろいろわかってくれるけどあんたはとろいんだよ!なんでも遅い!」 お母さんがそう言えば、 「なんでわたしだけそんなこと言うの」って。 だけど、わたしはお母さんに口答えなんてしたことなかった。 そんなことをすれば、何をされるか、どんなひどいことを言われるのか、怖くてたまらなかったから。 それに加えて、お父さんとお母さんは仲が悪かった。 顔を合わせて口を開けば喧嘩ばかりで。 家の中からはたくさんの罵声、怒鳴り声、お父さんがドアを音を立てて閉める音が響いた。 それを見るたび、聴くたびにわたしの心はぎゅっと絞られるように締め付けられて身を小さくして耐えた。 誰か助けて__、 こんなわたしをここから連れ出して____。 そんなとき、リュウがわたしを見つけてくれたんだ。
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